お知らせ一覧 – 人形劇団プーク

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平和への思いをこめて

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 プーク人形劇場誕生50周年記念年間の締めくくりに行ったフェスティバルは、蔓延防止措置期間にも関わらず全国から多くのご来場をいただきました。おとな向けの作品を主体にした5劇団の競演でしたが、初来場の方や初めて人形劇を観たという方も多く、今後さらに人形劇の魅力を広めていこうと、参加劇団とともに再認識することが出来ました。


 私たちは人形劇をとおして、たくさんの思いを届けてきました。現実社会の様々な困難と、それらを乗り越える力。誰もが幸福に心豊かに生きられる社会への思い、未来への希望を。人形劇だからこそ伝えられるその力を信じて。


 今また、悲しい戦争が起こっています。世界中すべての子どもたちが誰一人悲惨な状況におかれることのない社会を願って止みません。子どもたちが命の危険にさらされ、当たり前の日常・生きる希望・笑顔いっぱいの未来が奪われることは決してあってはなりません。

 プーク人形劇場では4月29日から影絵人形劇『大きなかぶ』と『もりのへなそうる』を上演します。『大きなかぶ』は有名なロシアの民話を元に創った舞台です。人々や小さな動物たちが力を合わせ幸福を求めて共に楽しく生きていく、あたたかな舞台に平和への思いをこめてお届けします。

2022.4.13
人形劇団プーク 劇団部主事 石田伸子
(2022年4月発行 みんなとプーク No.279 「プー吉は進む」より)

秋の子どもの劇場・まもなく開幕!

『りんごかもしれない』の初演は、2020年3月。
2019年にむかえた創立90周年の記念年間、その年度の締めくくりに、新作として幕をあけました。

原作者のヨシタケシンスケさんが、美術デザインを手掛け、舞台装置のためにイラストも描き下ろし、人形や仕掛けのアイディアもたくさん出してくださいました。
ヨシタケさんご本人も、絵本とはまた違った世界を楽しみながら一緒に創った、なんとも贅沢な稽古場でうまれた作品でした。

そんな中、コロナ禍が猛威をふるいます。
予定していた公演は、初日をあけてまもなく中止を余儀なくされ、劇場も休館。
緊急事態宣言が解除され、劇場をやっと再開できた公演では、
定員を大幅にさげ、客席と距離をとるために一部演出も変更。俳優達はマウスガードをつけた状態で演じました。

★2020年のクラウドファンディングでは、ヨシタケさんから応援のイラストをいただきました。

★劇場再開時、急遽取り付けた透明のパーテーションには、激突しないよう目印にボールを取り付けました。ちょっとリンゴみたい。

★離れて並んでね、とつけた足跡マークは、今はもうありません。

そんな中でも舞台は好評を博し、その後全国公演へ。各地で大好評の作品が、いよいよプーク人形劇場に帰ってきます!
コロナ禍で「密を避ける」ため封印していたちょっとした演出も、今回は復活!プーク人形劇場だからこそ楽しんでもらえる舞台へとパワーアップしています。

あの時見逃したという方も、また観たいという方も、初体験の方も、皆さんぜひお出かけください!

『プー吉・チビのムジカ−Música−ブラボー』…タイトルだけ聞いてもなんのことやらわからない!というこの作品、全国公演から始まり、今回初めてプーク人形劇場の舞台に登場します。

ちょっと不思議・ちょっと面白い・なんだか楽しい!
最新のテクノロジー(??)と、レトロな懐かしさとが混在する、ひとことでは言い表せない作品ですが、プークの劇場に入るにあたり新しいシーンや音楽が追加され、ぐーんとパワーアップしました!
「音」を「楽しむ」それが『音楽』・・・人形達の動きと音でいろいろ遊んじゃおう!
3人の俳優の、吹っ切れた演技もお楽しみに!

2024年 公演日程 詳細はクリック

10月 26日(土)10:30
10月 27日(日)10:30/14:00
11月 2日(土)10:30
11月 4日(月)10:30/14:00
11月 9日(土)14:00
11月 10日(日)10:30/14:00団体
11月 16日(土)10:30
11月 17日(日)10:30
11月 23日(土)10:30/14:00
11月 24日(日)10:30/14:00

全自由席/3歳以上均一  詳細はクリック

一般:3300円(3000円+消費税300円)
友の会会員:2640円(2400円+消費税240円)

※友の会同伴は、2970円(2700円+消費税270円)になります
※団体(15名様以上)、70歳以上のお客様:2200円(2000円+消費税200円)

スタッフ・キャスト 詳細はクリック

『りんごかもしれない』

◆原作・美術デザイン:ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社刊)
◆脚色:西本勝毅
◆演出:柴崎喜彦
◆美術造形:坂上浩士
◆音楽:庄子智一
◆音響効果:川名 武
◆振付:上田 亮(音楽座ミュージカル)


『プー吉・チビのムジカ−Música−ブラボー』

◆作・演出/柴崎喜彦
◆美術/伊賀昌美
◆音楽/吉川安志
◆音響効果/池田日明


【出演者】
川尻麻美夏、山越美和、小立哲也

【共通スタッフ】
照明/芦辺 靖 舞台監督/小立哲也 制作/竹野明日香 

©Shinsuke Yoshitake/人形劇団プーク

プークの新聞「みんなとプーク」秋号は、迷路の表紙が目印です。
『りんごかもしれない』『プー吉・チビのムジカ−Música−ブラボー』の上演期間中、ロビー売店にもご用意していますので、読みたい!という方はお声かけくださいね。

表紙の迷路とイラストを描いてくれたのは、ペーパークラフト作家・イラストレーターの智与さんです。細部まで作り込まれ、可愛くて存在感もあるペーパークラフト作品がwebで紹介されています。ぜひ覗いてみてくださいね! ≫ Paper Forest /  ≫ tumblr

ここでもプーク!10月の全国公演のお知らせ

ここでもプーク!
2024年10月に全国各地で行う公演をお知らせします。
お近くの方、ぜひ皆さんでお越しくださいね!

『エルマーとりゅう〜カナリア島のぼうけん〜』

【東京都 町田市】
日程/2024年10月13日(日) 
   ①10:30 (10:00開場)  ②14:00 (13:30開場)
会場/和光大学ポプリホール鶴川 B2Fホール
詳細/https://www.m-shimin-hall.jp/tsurukawa/event/p20241013/
主催/(一財)町田市文化・国際交流財団

【兵庫県 神戸市灘区】
日程/2024年10月19日(土)
   14:00開演 (13:30開場)
会場/神戸市立 灘区民ホール(5階大ホール)
詳細/https://www.m-shimin-hall.jp/tsurukawa/event/p20241013/
主催/神戸市立灘区民ホール

『がんばれローラーくん/プー吉・チビのオープニングショー

【京都府 長岡京市】
日程/2024年10月14日(月)
    ①11:30 ②13:30 (14:00開場)
会場/長岡京市立中央公民館(3階市民ホール)
詳細/https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02a8n4k0tcx31.html
主催/NPO法人おとくにパオ

『スイミー/ヤン助とヤン助とヤン助と

【東京都 八丈町】
日程/2024年10月27日(日)
    13:00 (12:30開場)
会場/多目的ホールおじゃれ
詳細/https://abinomi.sakura.ne.jp/kansyo.html
主催/八丈島あそびと文化のNPO あびの実

『あら どこだ

【愛知県名古屋市】
日程/2024年10月14日(月)
   11:00開演 
会場/ひまわりホール(17階 シアター雲)
詳細/https://aichi-puppet.net/himawari_artfes2024/
主催/特定非営利活動法人愛知人形劇センター

杉並子育て応援券使えます!

プーク人形劇場 10・11月の公演『りんごかもしれない/プー吉・チビのムジカ−Música−ブラボー』では
「杉並子育て応援券」が使えます。
ぜひご家族皆様でお越しください。
公演の詳細はこちら


りゅうのこボリスをつくろう!ワークショップのお知らせ

10月13日(日)に和光大学ポプリホール鶴川にて上演する『エルマーとりゅう〜カナリア島のぼうけん〜』に先立ち、
人形づくりのワークショップを開催します!

開催日時:2024年9月22日(日)
    【1回目】10:00~12:00
    【2回目】13:30~15:30
    ※終了しました
会場:和光大学ポプリホール鶴川3F会議室
料金:1,500円 ※製作キット込
対象年齢:5才~小学6年生
     ※5才~2年生のお子さまがご参加される場合、保護者の付き添いが必要です。
定員:各回15名
持ち物・服装:はさみ(布が切れるもの)、水分補給のための飲み物、よごれてもいい服装

お申し込みはこちら ※外部サイトに繋がります
お問い合せ:和光大学ポプリホール鶴川 TEL 042-737-0252

『エルマーのぼうけん』シリーズの作者、ルース・スタイルス・ガネットさんを偲んで ―――

▲自宅の前でほほえむガネットさん(2017年撮影)

 今年6月11日に100歳で亡くなった『エルマーのぼうけん』シリーズの著者、ルース・S・ガネットさんを偲ぶセレモニーが、先日8月12日(日本時間の13日)ルースさんの誕生日に合わせ、地元イサカ(米国・ニューヨーク州)で執り行われました。プークからは劇団員一人一人がメッセージを寄せた色紙をお送りしています。

▲ NHK教育テレビ『エルマーのぼうけん』撮影風景(1965年)

 プークと『エルマーのぼうけん』との出会いは古く、半世紀以上も遡ります。劇団創立当初から人形劇の映像化に強い関心を持っていたプークは、舞台と映像の相互間での実験的な試みを行う中で、NHK教育テレビ『エルマーのぼうけん』の製作に携わることになりました。この物語に惚れ込んだ劇団員は、広く子どもたちに届けるべき作品だとして、1965年には舞台化を果たします。

▲『エルマーのぼうけん』舞台初演ポスター(1965年)
グラフィックデザイナー・土方重巳さんの手掛けたイラストが大人気に。土方さんは戦前からのプークの協力者で、キャラクターデザインの先駆者としても知られる。
▲舞台写真(1965年)
▲『エルマーと16ぴきのりゅう』ポスター(1966年)
▲舞台写真(1966年)

 その頃の日本は、子どもたちを取り巻く文化環境が著しく変化し、過渡期を迎えていました。「子どもたちのためにどのような人形劇を創っていくか」そのような模索の中で生まれた舞台『エルマーのぼうけん』は、地域の母親、青年たちを巻き込んだ、「子ども劇場」「おやこ劇場」運動の象徴的な作品として全国に広がってゆくのです。以来、日本各地で多くの支持を得ながら、プークの大切な作品として受け継がれてきました。

▲ルースさんの自宅の前で記念の1枚。プロデューサーの西本と(2017年)

 そしてプークは、2019年の劇団創立90周年に向けた大きなプロジェクトを立ち上げたのです。それは、様々な課題を抱えた現代社会に生きる私たちが、『エルマーのぼうけん』と改めて向き合い、新たな舞台を創ろうというものでした。美術家には、ブルガリア人形劇界の巨匠マィア・ペトロヴァ氏を迎えることに決まりました。また出版70周年を迎えたアメリカでは、原作者のルースさんが元気に暮らしていらっしゃるという、これ以上にない素晴らしいニュースを耳にした制作チームは、ぜひ一度お会いしたいとイサカのご自宅を訪ねることにしました。

▲プーク美術部から人形のプレゼント。このあとルースさんによる即興人形劇が!(2017年)

 実は少し前に骨盤の骨を折る大怪我をされていたルースさんでしたが、私たちのことを快く迎えてくださったのです。それどころか、背筋はピンと伸び、自分の足で歩きまわって家の中を案内してくれるほどの回復ぶりでした。部屋には季節に合ったクロスやインテリアが、生活のための道具がたくさん揃っていました。食卓には庭に生ったオレンジの実、お手製のパンにジャム、地元で作られたバターにチーズが所狭しと並べられ、私たちにふるまってくれました。人間の豊かな営みと、遊び心に満ちた暮らし、時折見せる子どものような表情に、私たちはいつしかエルマー少年を重ねその人柄に惹かれていったのです。

▲空港で出迎えたプークメンバーに、長旅を感じさせないとびきりの笑顔で答えてくれたルースさん(2018年)

 日本のファンの皆さんがルースさんに会ったら、どんなにか元気をもらえるだろう。私たちの夢は膨らみ、2018年夏、ついにルースさんの来日が実現しました。その大スクープはたちまち日本全国を駆け巡り、取材やイベントで持ち切りとなりました。ハードスケジュールの中でも、ルースさんと、同行していた娘のルイーズさん、ペギーさんは、日本での交流を心から楽しみ、いつもにこやかに私たちの仕事を気遣い、たまに冗談を言って笑い合ったりしたのを本当によく覚えています。紀伊國屋公演初日の舞台挨拶、4日間8ステージの公演、プークの演出家と3人のゲストを招いたパネルディスカッション、クラウドファンディング協力者を交えた懇親会、書店でのサイン会と、連日満員のお客さんが詰め掛けました。

▲公演初日の舞台挨拶 / 満席の紀伊國屋ホール / 報道陣に囲まれて(2018年8月2日)
観劇中、動物たちのおかしな動きややり取りに、声をあげて笑っている姿が印象的でした。

▲パネルディスカッション(2018年8月4日)
『エルマーのぼうけん』を執筆したときのこと、子どもの頃のこと、今の暮らしのことなど、たくさんお話くださいました。ファンからの質問に直接答えるコーナーも。写真左から二番目は、翻訳をされた渡辺茂男さんのご長男で、子どもの本作家の鉄太さん。オーストラリアから駆けつけてくださいました。
▲バースデー・パーティー(2018年8月5日)
95歳の誕生日を翌週に控えたルースさんを、プークメンバーと紀伊國屋書店スタッフらでお祝いしました。向かって右が次女のぺギーさん、左が五女のルイーズさん。最後は皆で輪になって、歌って、踊って、楽しいひとときでした。

 それらのどのシーンにおいても、ルースさんから発せられる眩い光のようなエネルギーを受け取らなかった人はいないはずです。ルースさんには生きるエネルギーが溢れていました。私たちにとって、エルマーそのものであったルースさん。決して争うことをせず、知恵と勇気と優しさで、どんな困難も乗り越えてみせるエルマーの姿に、私たちは魅了され続けるのです。ルースさんとエルマーが紡いだ物語は、これからも生き続けるでしょう。

ずっとずっと大好きです、ルースさん ―――

▲ガネットさんから頂いた観劇記念の色紙。プークの宝物です。
“日本で過ごした時間、プークの人々とその協力者のみなさんと共に過ごした時間は、本当に楽しいものでした。公演の日、あれほど沢山のエルマーとボリスのファンに会うことができて感激しましたし、三世代にわたってエルマーを愛してくれている人々にも出会えて、なんと嬉しかったことでしょう。人形遣いたち、人形たち、舞台美術、音楽、その全てが魅力的でした。”(帰国後に下さった手紙より)
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