第32回イーハトーブ賞を受賞しました! – 人形劇団プーク

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第32回イーハトーブ賞を受賞しました!

 岩手県花巻市創設の、第32回イーハトーブ賞をプークが受賞しました!
 9月22日、花巻市での贈呈式には劇団代表の栗原弘昌と井上幸子が出席、人形映画『セロ弾きのゴーシュ』の映像資料なども交えた講演も行いました。賢治生誕の地で、賢治を愛する皆さんと貴重な交流をさせていただきました。

▲2022年9月22日
第32回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式の様子

イーハトーブ賞受賞によせて

 人形劇団プーク代表 栗原弘昌

 今夏8月、岩手県花巻市創設のイーハトーブ賞受賞の知らせが入りました。イーハトーブ賞とは「宮沢賢治の名において顕彰されるにふさわしい実践的な活動を行った個人または団体におくられる。」(宮沢賢治学会イーハトーブセンターHP)とあります。それは突然舞い込んだ大きな喜びと大きな驚きであり、劇団全体に活力をもたらしてくれる出来事となりました。
 選考理由には、宮沢賢治生前の1929年に劇団を創設し、1948年の再建第一作や劇団の節目に「オッペルと象」を公演している事。1953年には長篇人形映画「セロ弾きのゴーシュ」を制作し、それぞれの作品が農民や民衆からの視点で描かれている事があげられています。一作品の評価というよりも、劇団創立から現在までの活動に対しての評価であると理解すると同時に、今後の創造活動に対する責任を感じました。また、どのような形で社会に貢献していくべきか、明確な意思をもって取り組まなければならないと身の引き締まる思いでいっぱいです。そして、長年にわたりプークを応援し劇団を支えて頂いた全国の皆様に、改めて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
 賢治没後の1934年に手帳の中から発見された有名な「雨ニモマケズ」は、2011年の東日本大震災後に、復興に取り組む東北の方々の心の支えにもなったという話を聞いたことがあります。時を越えて人々の心に影響を与え、生きる力を与えてくれる宮沢賢治作品の多くがそうであるように、我々もそのような作品創造を目指し、今回の受賞に誇りをもって、そして謙虚に一歩ずつ一歩ずつ進んでいきたいと思います。(2022年10月1日発行「みんなとプーク」第281秋号掲載の『プー吉は進む』より)

▲人形劇団プーク再建第一回公演『オッペルと象』(1948年)
▲人形劇団プーク再建第一回公演『オッペルと象』ポスター(1948年)
▲長篇人形映画『セロ弾きのゴーシュ』撮影風景(1953年)
▲長篇人形映画『セロ弾きのゴーシュ』ポスター(1953年)
▲プーク人形劇場杮落し公演『霧と風からきいた話』より「ありときのこ」(1971年)
▲プーク人形劇場杮落し公演『霧と風からきいた話』より「鹿踊りのはじまり」(1971年)
▲人形劇団プーク創立90周年記念公演『オッペルと象』(2019年)
▲プーク人形劇場にて展示中

 立派な賞状と正賞の「空のクリスタル」は11月公演期間中、プーク人形劇場にて展示予定です。ご観劇へお越しの際にはぜひご覧になってください。「空のクリスタル」については、宮沢賢治学会イーハトーブセンターHPに詳しく解説されています。